実りを問うな

育児、本、漫画、絵の日々備忘録

父のこと

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父が死んで3年が経った。

あまり仲が良い父娘ではなかった。

父の一周忌で実家に帰った春、肺がんで闘病中の日記を読んだのだけど

中学生の甥について弱々しい字で

「あの子のハツラツとした顔を見ると元気になる。」

と書いてあった。

甥はそれを読んで懐かしそうに、寂しそうにしていた。

「おじいちゃん好きだったもんな」と

兄が甥に笑いかけていた。

 


日記に甥のことをこんなふうに書く情緒があのジジイにあったのだと

はっきりとびっくりした。

私にとっては、ほんとうにありえないほどクソジジイだったから。

 


その日記を読んだこともあり、一周忌から帰って

同人誌「東京物語」のプロットを立てた。

私には許せない男尊女卑も甚だしいクソジイジだったけれど、

甥にとっては優しい爺ちゃんで、

父に「優しい娘」はいなかったが、思い出してくれる「優しい孫」はいたのだ

赦しは、赦して欲しい人からは与えられないことの方が多いのではないだろうか

という話だった。

 


父とはどんな人だったのか。

許せないが、今は理解できる。

彼の属人的な問題だけじゃなく、時代、社会、成育環境

それが父と私の間に線を引いた。

 


父のような人について、彼を生んだこの社会について

一度自分の中で整理をつけるために

何か来年カタチにしたいと思っている。

いや、する。

 


家父長制というか、女性差別に対しての怒りみたいなものが

ひとつ私の創作の糧なのかもしれない。

とりあえず今は本を読んで頭の中でこねこねこしてる。

 


福岡の文学フリマに出られたらなと思ってるけど

どうなることやら…(来年の秋かな?)

仕事と育児の間で時間をどうにか見つけて頑張ります。